年頭のご挨拶

SSCP 会員 各位


                       一般社団法人 地域医療薬学研究会


 寒中お見舞い申し上げます。
みなさまには暮れも新年もなく、多難な状況でお仕事に励まれていることと存じます。
 コロナ禍とインフルエンザなどの重なりも懸念される一方、行動の自由を求める層が増え、逆に医療を必要とする層が適切に医療を受けられない状況もより深刻化していると考えられます。さらに、医薬品等の供給危機も二重三重に深刻化しており、旧来の秩序では対応しきれない事態が発生しております。今現在、おそらくは、みなさまの現場的努力で支えられている「地域のくらし」があるものと思われます。
 この難局は、わが国全体が直面している構造的な難局です。しかし当事者として苦闘されるみなさまの努力が本質的に報われるものになり得るのかは、無言のままに耐えるのみでは、残念ながら「とりあえず間に合っている」「むしろ足りない」などと評価されるだけであり、活かされないことにもなりかねない危険を孕んでいます。
 こうした状況を踏まえ、私たちは新たな「薬剤師がいて、薬局がある地域の景色」を構築するために、今の苦闘を活かすことを考え、更に力をつけていかなければなりません。
旧来の秩序に沿いつつも、薬剤師の倫理に基づいて、「国民の健康な生活の守護者」として、より大きなフィールドで力を発揮する、その果てに生活者の健全な生活に向けた新たな秩序の提案と実践ができることを目指したいと思います。

 SSCPは、生活者支援という視点の開発と、実践者として薬剤師が「ケア」の入り口に立つための能力開発を企図して、2021年度には「褥瘡ケア」、続いて2022年度には「がん患者の支援」を提供するとともに、現状打開のために他団体と協働でシンポジウム開催や地域活動などを展開してまいりました。
 本年は、この間急激に進んだ「医療の異常事態」に鑑みて、「がん患者の支援」シリーズを再編してお送りするとともに、現状認識のためのセミナー及び関係する諸団体が開催するセミナーなどについてもより積極的にご案内していきたいと思います。
 また、セミナー以外の活動についても、皆様とともに実施することで、共通の地平を開いていきたいと存じますので、要望、自分が抱える疑問、そのほか考えることなど、お寄せいただけますようお願い申し上げます。