当研究会 評議員の村田正弘先生が今回の新型コロナウイルス関連の声明を発表されました。

当研究会の評議員であり、NPO法人セルフメディケーション推進協議会 会長の村田正弘先生が、3.11の災害救援活動後の経験を基に、現在の新コロナ感染防御について考えを述べています。

村田先生は、今回の件は医療問題というより、社会問題ととらえていらっしゃいます。

お時間あるときに是非ご覧ください。


(以下 村田先生の声明文)

SMACの東日本大震災救援活動から9年―新たなウイルスの脅威への対応
ご支援・ご協力を願う皆様へ

3月11日、東日本大震災が発生した日から9年です。一昨年の各地で起きたM5級の地震、さらに豪雨、台風は大型化して昨年は日本各地に被害を生じ、今なお修復が続いています。その中、昨年末中国で発生した新コロナウイルスによるインフルエンザは、たちまち日本を含む世界に拡散し、現在渦中にいます。疾病は災害のひとつ、防災の基本は共通するといってきました。中でも感染は人類を脅かす強敵で、冷静、賢明な判断と適確な対策が問われます。
9年前、地震を体験し、津波に続く惨禍の映像を見て、何が必要か、何ができるか、何処に、誰と連絡するかを必死で考えたあの月日が浮かびます。避難所での生活、背後にある地域、家族の葛藤と苦悩の顕在化、救援、支援がままならないもどかしさ。懸念されていた復旧と復興の間の踊り場が永遠に続いている感がします。
目に見える災禍に増して、見えない災禍は疑心、不信を生み、さらに不安、不穏を招きます。放射能と微生物は人間には見えません。福島原発事故は自然災害に次ぐ人為災害の典型です。想定を超えた災害を科学技術では制御不能という現実に目をそらし、無駄な愚策が続いています。無生物である核廃棄物は、調査をもとに被害規模を推計することは可能です。貯蔵限界に達したトリチウム汚染水の処理は決断の段階です。
一方、ウイルスは変幻する微生物で、逐次変化するデータから、変異と宿主の関連を常に想定しての対処が必要な強敵です。山林火災が一時鎮火しても、またくすぶり、風などで再燃するのと共通します。消火、救命優先と同様、医療機関の貢献を期待するのは当然ですが、拡大防止には国民ひとりひとりの自覚と行動によらねばなりません。今、誰にもできる行動は「正しい手洗いの実践」です。セルフメディケーションは自分の健康に留意し、生活改善によって疾病を防ぎ、医療機関への負担を軽減します。自助、共助の連携です。平時におけるセルフメディケーションは生活習慣病などを主に想定しますが、今は非常事態と認識し、ウイルスという難敵への対決に集中しましょう。
福島県被災者の方々への「健康支援」活動は施設の閉鎖により終了とし、全ての方への「防災・健康支援」を続けます。東京都の「外国人のための防災訓練」に参加し、防災が人種、国籍、年齢、貧富、宗教に無関係であること、「日常行われていないことは災害時には絶対にできない」と確信しました。

2020年3月11日
   NPO法人セルフメディケーション推進協議会 会長   村田 正弘
当協議会の活動についてはweb site をご覧ください。http://www.self-medication.ne.jp

(ここまで)


また、NPO法人セルフメディケーション推進協議会のホームページでは、村田先生が新型コロナウイルスの感染防止についての緊急メッセージとして感染防止のための「正しい手洗い実践のすすめ」を提言してらっしゃいます。
そちらも併せてご覧くださいますよう、お願い致します。